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住まい・不動産
「空き家問題」の現在地

「地方の空き家を売りたいが…」不動産業者にはない「空き家バンク」ならではの強み 地元で見向きもされない物件が移住や別荘を望む全国の人たちには「優良物件」に

国土交通省は空き家の仲介取引を支援

 このサイトに掲載されている空き家の多くは価格としては数十万円から1000万円台のものが中心です。ネットで十分検証してから直接売主と交渉する、あるいは自分の親しい業者を買い側につけて交渉するなどいろいろな手法が使えます。

 また空き家の仲介取引では物件価格が数百万円といったレベルでは手間暇かける意味がないというのが多くの仲介業者の言い分でした。たとえば800万円の取引では手数料は3%。24万円です。200万円では5%で10万円になります。この程度の手数料では一生懸命やる気が起こらないというものです。

 こんな声を受け、国土交通省は空き家の仲介取引においては2024年7月から売却価格が800万円以下の取引については仲介手数料の上限を30万円としました。売り手、買い手双方の仲介を行なう両手取引であれば、最大で60万円になります。業者のやる気を引き出そうと国も苦心惨憺(さんたん)しているのです。

※牧野知弘著『新・空き家問題──2030年に向けての大変化』(祥伝社新書)より、一部抜粋して再構成

【プロフィール】
牧野知弘(まきの・ともひろ)/東京大学経済学部卒業。ボストンコンサルティンググループなどを経て、三井不動産に勤務。その後、J-REIT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て独立。現在は、オラガ総研代表取締役としてホテルなどの不動産事業プロデュースを展開している。著書に『不動産の未来──マイホーム大転換時代に備えよ』(朝日新書)、『負動産地獄──その相続は重荷です』(文春新書)、『家が買えない──高額化する住まい 商品化する暮らし』(ハヤカワ新書)、『2030年の東京』(河合雅司氏との共著)『空き家問題』『なぜマンションは高騰しているのか』(いずれも祥伝社新書)など。

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