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iDeCo大改正で60歳からでも「100万円増額」テクニック

【iDeCo大幅拡充の見通し】目玉となるのは「掛け金上限の引き上げ」と「加入期間の延長」 認識すべきは“長く働くことを前提とした改正”という点、2027年春頃に実施見込み

「iDeCo制度改正」のポイントは(写真:イメージマート)

「iDeCo制度改正」のポイントは(写真:イメージマート)

 政府の2025年度の税制改正大綱に、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の大改正が盛り込まれた。掛け金や加入年齢上限が大きく拡充される見通しだ。リタイア後に公的年金以外の収入をどう確保するかを考えるうえで、今回の大改正を活用することは極めて重要になる。【前後編の前編】

掛け金が2.7倍に

 iDeCoは、収入から自分で掛け金を積み立て、運用方法も自分で選ぶ「じぶん年金(私的年金)」で、60歳以降に公的年金に上乗せするかたちで受け取れる。掛け金に国の補助はないものの、その代わり、

【1】収入から出す掛け金(拠出金)には所得税・住民税がかからない(全額所得控除)
【2】運用益も非課税
【3】60歳以降の受給時も税制優遇が受けられる

 という3重の税制優遇措置がある。“節税効果”だけでもメリットが非常に大きい。「公的年金だけでは不安だから老後資金をもっと増やしたい」。そう考える人には非常に有力な選択肢だ。

 このiDeCoが年金改正に合わせて大幅拡充される見通しだ。現在の改正案では、まず掛け金の上限が大きく引き上げられる。iDeCoは自営業者・フリーランスなどの国民年金加入者、厚生年金加入者で掛け金の上限が異なる。自営業者・フリーランスの場合、現在、掛け金の上限は国民年金基金への拠出金との合計で月6.8万円までだが、これが同7.5万円に引き上げられる。

 会社員は2つに分かれる。勤務先の企業が「企業年金」(企業型DC=企業型確定拠出年金)に加入している場合、企業型DCとiDeCoの拠出金の合計額が月5.5万円から同6.2万円になる。また、企業年金がない会社員は拠出金の上限が月2.3万円から同6.2万円に大幅引き上げとなる。社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。

「掛け金の上限が引き上げられれば、その分、節税メリットも大きくなります。とくに年金の3階部分にあたる企業年金(企業型DC)がない会社に勤めているサラリーマンにとっては、公的年金を補うiDeCoの役割が重要になります。その掛け金がこれまでの2.7倍に増やせるのであれば、心強い朗報となります」

次のページ:改正案のもう一つの目玉が「加入期間の延長」

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