優待弁護士の自宅に届いた株主優待品のコメ現物。コシヒカリなど各地のブランド米を楽しめる(撮影/澤井康生氏)
歴史的なコメの価格高騰が続くなか、個人投資家の間ではコメをもらえる「株主優待お米銘柄」の人気がより高まっている。警察官僚から警視庁刑事に出向した経験もあり、さらには弁護士に転身し、“優待投資の達人”としても知られる澤井康生氏(53)は、株式投資を始めた頃から数々のコメの優待銘柄、いわゆる「お米銘柄」を購入、保有している。自宅で消費するコメの大半を株主優待で賄っているという澤井氏は「お米銘柄」をどのように選び、お得に活用しているのか。注意点も聞いた。
「昨年は一時期、報道でも“店頭にお米がない、お米が高い”と騒がれましたが、株主優待のお米が届くので安心感はありました」
現在保有する約250銘柄は「ほぼ優待銘柄」という澤井氏はこう話す。株主優待目的の株式投資を開始した約10年前から「お米銘柄」に注目し、購入やウオッチを続けている。
2024年夏から始まった「令和の米騒動」以降、新米が出回っても、コメ価格の高騰が止まらない。総務省統計局が公表した小売物価統計によると2024年12月のうるち米(精米)の小売価格(東京都区部)はコシヒカリ(5kg)で4018円と、4000円の大台を突破し、前年同月(2386円)の約1.68倍に値上がりした。2025年に入っても、コメの流通不足や価格高騰が食卓や生活を揺るがしている。
コメ現物、パックご飯、おこめ券に“分散”
そうしたなかで魅力を増す「お米銘柄」の魅力について澤井氏が説明する。
「コシヒカリなど各地のブランド米を株主優待品にしている企業が多いですね。その企業が本拠とする地域のお米が届くのが嬉しい。最近はお米の価格高騰が続いているので、お米をもらえる株主優待は家計や食卓の心強い助けとなっています。株主優待品にするくらいだから、厳選したお米で美味しい。お米は重いので、現物が家に届くのはとても楽です」
澤井氏はどのように「お米銘柄」を選んでいるのか。
「ネットや雑誌などで気になった銘柄をピックアップし、配当と優待の利回りがよい銘柄を選ぶようにしています。基本的には100株を購入して優待品をもらうのが最も優待利回りや効率がいいでしょう。お米現物の場合、100株で基準日ごとに2~5kgが標準的です。ちなみにお米銘柄の優待品は大別すると、お米現物、おこめ券、パックご飯の3つのタイプがあります。それぞれに利点があり、私はこれら3つのタイプをもらえるように“分散投資”しています」(澤井氏。以下、「」内同じ)