【1】パソコンでパーツを設計(撮影/小倉雄一郎)
【2】設計図のデータを機械が読み込み、試作用のボール紙からパーツを自動で切り抜く(撮影/小倉雄一郎)
【3】ボール紙で組み立てた(撮影/小倉雄一郎)
【4】初校紙での試作品を持つスタッフ。左から社長の原口晴広さん、村山孝幸さん、菅原美代子さん(撮影/小倉雄一郎)
ふろく制作会社に潜入
読者の好奇心を掻き立てるふろくのアイデアを設計図に落とし込むのが、ふろく制作会社だ。1990年代からふろく制作を担う「クラフトナビ」社は、昔ながらのペーパークラフトを得意とする。
「編集部が“こんなふろくを作りたい”とテーマを決め、ラフなどをもとに内容を打ち合わせます。その後イメージを固め、組み立てるためのパーツの設計や動かすための仕掛けを考えます。
なるべくシンプルな設計にしたいのですが、大がかりな組み立てふろくの場合、差し込みの数が100以上になることもあります。部品をレイアウトする際、決められた寸法の用紙に収まるようにパーツを配置するのは長年培った感覚ですね」(同社企画室チーフの村山孝幸氏)
編集部や制作会社のスタッフが何度か組み立て、修正をして製品化される。
「今でも動力には輪ゴムなど昔ながらの素材を使用することもありますが、ゼンマイなどの動力や電子部品などを組み合わせることも増え、ふろくの内容は進化しています。組み立てにはなるべく道具やのりを使わずに作れることを基本にし、子どもたちがケガをしないようにパーツの角を丸めるなど、安全性に配慮をしています」(村山氏)
取材・文/上田千春
※週刊ポスト2025年2月28日・3月7日号