──ゴーン氏の退任後にCEOに就いた西川廣人氏や内田誠氏をどう評価するか。
「経営の質は会社の業績に基づくため、特定の人物を抽象的に評価することはできない。しかし、会社の成長、キャッシュフロー、利益などすべての指標で日産は衰退の一途を辿っている。私が言えるのは、日産のトップマネジメントが会社をダメにしたということだ。
私が18年間、チームと共にやってきた仕事はすべてムダになった。日産の時価総額は私の頃に比べて数百億ドル下がり、約100億ドル(約1兆5500億円)になった。大金を失った責任は重い。彼らは任務を遂行せず、日産の従業員を失敗させ、株主を失敗させ、そして日本を失敗させた」
──日本では日産関係者を含め、あなたの「保釈中の海外逃亡」について厳しく批判されている。
「私は自分の逃亡を後悔していない。検察の扱いは残酷で非人間的で不公平だった。保釈後に再逮捕されるとすぐ理解したし、腐敗した日本の司法システムから抜け出すしかないと理解した。ただ、日産社内で事件を企図した連中には恨みもあるが、日本人には多くの友人もいて、私に手を差し伸べ続けてくれている。日産の“ゲンバ(現場)”はとてもいい人たちだった」
* * *
現在、マネーポストWEBでは、関連記事《【全文公開】カルロス・ゴーン氏独占インタビュー「日産とホンダの破談の原因」「海外逃亡への批判」「新・日産リバイバルプラン」「現経営陣への最後通告」…すべて語った》にて、インタビューの全文を公開している。
聞き手/宮下洋一(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2025年2月28日・3月7日号