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西川廣人元社長ら日産の元最高経営幹部を連続直撃! ホンダとの経営統合破談は「仕方ない」、「ゴーンいたほうが良かったと言われてしまう」の悩ましい思いも

経営統合が破談に。何が起きていたのか(写真/NurPhoto via AFP)

経営統合が破談に。何が起きていたのか(写真/NurPhoto via AFP)

 ホンダとの経営統合協議を打ち切った日産自動車。なぜホンダによる子会社化打診を受け入れなかったのか。業績が悪化する日産の経営は、どこで道を間違えたのか。複数の日産元最高経営幹部を直撃したところ、率直な思いを明かしてくれた。

 破談のトリガーを引いたのは、ホンダによる日産の子会社化案だった。対等合併を求めていた日産はこれに反発。2月5日の取締役会でホンダとの交渉を打ち切ることを決めた。経営統合に向けた基本合意書を結んでから、わずか1か月半での白紙撤回となった。

「まぁ、仕方ないでしょうね」

 本誌・週刊ポストの取材に対し、インターホン越しにこう答えたのは、小枝至・元共同会長(83)。かつて、リストラやコスト削減など社内の「嫌われ役」を引き受け、“カルロス・ゴーンの右腕”と呼ばれた大物OBだ。「いきなり子会社化というのもね。だんだんやらないと、反発は出ますよね」。ホンダによる強引な提案を拒んだ現経営陣に理解を示すような反応だった。

「グプタを追い出したあたりからおかしかった」

 一方、ある元経営幹部は「2023年にグプタを追い出したあたりからおかしかった」と指摘した。アシュワニ・グプタ氏は、内田誠・現社長のもとでナンバー2のポストである最高執行責任者(COO)を務めた人物。インド出身で仏ルノー、日産、三菱自動車の3社のほかホンダでも勤務経験があった。日産の事業立て直しを牽引したが、2023年に突如退任することが発表された。日産は当時、退任の詳しい理由を明らかにしなかった。

「グプタは非常に有能な経営者でした。しかし、彼が持ち合わせていた経営観を日産の現体制が受け入れられず追い出してしまったということでしょう。その後、彼(内田氏)も、何かをやろうにも同じような考え方の人たちに取り巻かれちゃっていますからね。そうした体制だからなかなか決められない。『ゴーンがいたほうが良かった』と言われちゃいますよね。ゴーンは退かざるを得なかったわけですが、そのあと結局、元に戻ってしまったように見えます」

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