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和田秀樹医師が説く“幸せな老後”のための健康との向き合い方「数値に一喜一憂するのはやめましょう」「禁酒もしなくていい。ストレスを溜めないのが健康寿命の鍵」

「ストレスを溜めないことも大切」だという(写真:イメージマート)

「ストレスを溜めないことも大切」だという(写真:イメージマート)

 人生後半戦の本番が始まる60歳以降について、精神科医でベストセラー作家の和田秀樹氏は、「従来の常識をリセットすれば、これまで以上に充実した人生を送ることができる」と断言する。数多の高齢患者と接してきた和田氏が、幸せな老後を過ごすための医療や健康との向き合い方について説く。

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 日本人は慣習的に「医者の言うことは絶対」だと思い込みますが、私は医者の立場から「医者の言うことは気にしなくてもいい」と伝えています。

 典型的な例が血圧を巡る収縮期血圧140以上だと高血圧という数値。昭和30~40年代の日本人はタンパク質が不足して、血圧が140~150ほどで脳の血管が破れて脳出血で亡くなる人が多かった。しかし現代の日本人は栄養状態が改善してタンパク質を多く摂取するようになり、脳の血管が強化されて脳出血が減りました。実際、私は一時血圧が200を超えましたが何事も起こりませんでした。

 脳出血が減少すると、医師たちはそれまでの「脳出血予防」という目的を変更し、「血圧を下げるのは動脈硬化予防のため」と言い始めました。しかし動脈硬化の最大のリスクファクターは加齢であり、70代後半になるとほぼ全ての人が動脈硬化になるので予防しても意味がありません。むしろ歳を取ってからは多少血圧が高いほうが健康的だとも言われます。コロコロ変わる指標にとらわれる必要はありません。

 医者に言われるがままだと「薬漬け」になるリスクもあります。高齢になって5種類以上の薬を服用すると、転倒するリスクが4種類までの倍になるとの調査報告があります。これにより骨折や寝たきりになるケースもある。本末転倒です。

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