閉じる ×
マネー

6000人の高齢者を診てきた和田秀樹医師が語る“終活の極意”「生前整理に時間を取られて、やりたいことができなくなるのは不幸」「“家じまいブーム”に流されないように」

幸福度を下げない「終活」には何が必要か(写真:イメージマート)

幸福度を下げない「終活」には何が必要か(写真:イメージマート)

 高齢者専門の精神科医として約35年間にわたり、医療現場で6000人の患者を診てきたのが、ベストセラー作家の和田秀樹氏だ。そんな和田氏は、60歳を過ぎてなお健康でハツラツと生きている人の共通点は、「何事も我慢せず、好き勝手に生きていること」だと話す。では、自分が亡くなったあとのことを考えて行う「終活」について、和田氏はどう考えているのだろうか。和田氏が“終活の極意”を語る。

 * * *
 昨今は生前整理や終活がブームですが、慎重に進めましょう。「物を整理しなくてはいけない」と思い込んでいる人も少なくないですが、後になって捨てなければよかったと後悔する人は多い。たとえゴミ屋敷であっても本人がそれで幸せならそのほうがいいと、認知症の高齢者の自宅に訪問診療に行った時に実感しました。生前整理や終活は義務ではないのです。これに時間や労力を取られて、やりたいことができなくなるのは不幸です。

 去る者は日日に疎し。死んだ者は月日が経つにつれて忘れられていくものです。自分が死んだ後のことを考えすぎるのは時間の無駄です。その意味で言えば、個人的には墓や葬式は不要だと思っています。墓守を誰が引き継ぐかといった承継者問題は実に面倒で、これを避けるために墓じまいをする人が増えているというのは納得できます。

 ただし、家族が墓を欲しがる可能性もあるでしょう。価値観が多様化している今の時代、お墓や葬儀についても「こういうものだ」と決めつけず、自由に話し合って決めたらよいのです。

次のページ:運転免許の返納は慎重を期すべき

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。