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【注目銘柄】朝日工業社:最高値更新も割安感残す空調・衛生工事専業

朝日工業社(1975):市場平均予想(単位:百万円)

朝日工業社(1975):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 朝日工業社(1975)は、創業100年の環境エンジニアリング会社。空調・衛生設備工事の設計・監督・施工を主な事業としています。

 1925年の創業以来、約100年間で培った「空気・水・熱」の技術力をコアコンピタンスとして、「設備工事事業」と「機器製造販売事業」の2つの事業を展開しています。

「設備工事事業」では、生産工場や研究施設、オフィスビルなど、様々な建物の「空調設備工事」と「給排水衛生設備工事」を手掛けています。例えば、人が過ごしやすい環境だけでなく、半導体や医薬品の製造に欠かせないクリーンルームの空調設備工事や、水を用途に応じて使用できるようにする衛生設備工事、気体・流体を供給するプラント配管設備工事を行っており、企画・提案から施工、保守メンテナンス・リニューアル工事まで顧客施設に対するエンジニアリングをワンストップで提供しています。売上高の96%を構成する主力事業です。

 なお、設備工事事業は、台湾とマレーシアに現地法人を設立して展開しています。

「機器製造販売事業」では、半導体やフラットパネルディスプレイ、また電子分野など先端産業の企業が工場内に設置する精密環境制御機器の開発・製造・販売を行っています。空調設備工事で培ってきたクリーン化技術や熱流体制御技術が活用されています。

注目ポイント

 同社の創業は1925年。当時日本の中核産業だった紡績業界に向けた温湿度調整装置や噴霧給湿装置の開発・製造からの出発でした。

 紡績業界で信頼を勝ち取った同社は、その後も空調設備や乾燥装置の設計施工を手掛け、官公庁からも受注を獲得するように。高度経済成長期には産業施設やビルに領域を広げ成長を遂げました。同社は時代と市場のニーズに合わせた設計施工を得意とし、その対応市場を、ビルから計算センター、病院や医薬品工場、また半導体製造工場の超クリーンルームと広げてきました。

 企画・提案から施工、保守メンテナンス・リニューアル工事までワンストップで対応することで、様々な産業の様々な建物のニーズを把握し、開発と設計にフィードバックすることで、成長を遂げてきた企業と言えます。

 近年では、環境技術開発が競争力となっているようです。同社は、高度経済成長期から省エネ空調システムの開発に取り組んできた経緯を持っており、環境制御・環境技術開発においては長い歴史を持ちます。

 実際の施行事例で言えば、例えば、「排気熱」を有効活用した省エネや、「地中熱」を利用した空調設備などが挙げられます。

 また最近では昨年12月に、精密空調機ASCシリーズの上位モデルで温湿度制御を向上した「高性能温湿調機」がリリースされました。温度・湿度・清浄度を精密に制御することで、超微細加工が求められるFPDや半導体の製造の安定性実現に貢献する製品とされます。

 すでにラピダスの北海道千歳市工場の半導体製造工程用環境装置として受注したことが報告されており、機器製造販売事業への貢献が見込まれます。ラビダスによる採用事例では、半導体露光装置周りの密閉空間に温湿度を制御したエアーを供給することで、「露光」工程の生産性向上を図る効果が得られるとのこと。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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