久しぶりに会った「推し活仲間」の雰囲気が…(写真:イメージマート)
日本経済が景気低迷と物価上昇に喘ぐなか、「推し活」消費は旺盛だ。売上拡大を目指す企業やブランドは、人気アイドルやアニメ、2.5次元コンテンツに商機を見出し、つぎつぎとコラボ商品を発売している。また最近では、自社のアンバサダーに世界的な人気を誇るK-POPアーティストにくわえて、日本の人気アイドルを起用する海外ラグジュアリーブランドも目立つようになった。
推しのアンバサダー就任は喜ばしいものだが、一方でハイブランドとのコラボレーションによって、推し活仲間との友情に亀裂が入ることもある。そのリアルケースを見てみよう。
久しぶりに会ったら全身ハイブランドで仰天
新聞社で広告事業に携わっている女性・Aさん(34歳)は、3年来の友人だという中国人の推し活仲間と約1年ぶりに再会した。久しぶりに会った友人は、全身を某ハイブランドの商品に身を包んでおり、Aさんはその変貌ぶりに仰天したという。
「私は日本の男性アイドルグループのファンで、その友人とはSNSで知り合いました。彼女は日本の国立大学修士課程を卒業して、現在は日本のIT系企業で勤務している中国人エリート。ファッションはカジュアルというか、地味めでメイクも薄い方でした。ところが1年ぶりに再会したら、バッグ、マフラー、服、指輪がすべて某イタリアのラグジュアリーブランドのもので揃えており、全身、有名な某アルファベットのロゴだらけになっていたんです……。
というのも、彼女の推しのメンバーがそのブランドのアンバサダーに起用されたことで、『ブランドの商品を買うことで、ブランドとメンバーを応援したい』『私の親も協力してくれて、中国でたくさん商品を買って送ってくれる』と嬉しそうな様子でした。普段は倹約に努めて過ごしている彼女ですが、推しのためにブランド商品を爆買いする様子を見て、『やっぱり自分とはお金の価値観が違うんだ』『中国人富裕層って、やっぱりレベルが違う』と、すこし心の距離が開いた気がしました」(Aさん)