ただし、決してやってはいけないことは、「他人から与えられた目標」を人生の目標にすることだ。それは、他人の人生を生きることに他ならない。自分の人生の目標は自分で決める。充実感を得るには、それこそが大前提だ。
ステップ2では、これから成長のために何に集中するか決める。あれもこれもと取り組んでもマルチタスクになるだけで成果は望めない。できれば1つ、多くても2、3個の課題に集中して取り組む。「仕事の目標」と「人生の目標」のオーバーラップが大きければ大きいほど、自身の成長は会社の業績に貢献することになるので、上司の支援も得られやすくなる。
ステップ3は、1カ月から3カ月ほど経ったころに行う。成長を振り返り、次に何に集中するか決める。上記の課題に取り組んだ結果、どんな能力を身に付けたかを振り返るのだ。自分では気付きにくい成長も、実際に自らの言葉で表してみると、「意外に自分は成長しているな」と気付くことも少なくない。そして、その成長を土台に、次の期間でどういう課題に集中して取り組むのかを考えるのだ。
「評価をすれば人は伸びる」は「思い込み」で、変えられない過去を云々する「成果主義」よりも、変えられる未来に集中する「成長主義」の方が、人は成長するのではないだろうか。
※岸良裕司氏・著『組織をダメにするのは誰か? 職場の問題解決入門』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部抜粋して再構成
【PROFILE】
岸良裕司(きしら・ゆうじ)/ゴールドラットジャパンCEO。全体最適のマネジメント理論TOC(Theory of Constraint:制約理論)をあらゆる産業界、行政改革で実践。活動成果の1つとして発表された「三方良しの公共事業改革」は、ビジネスマネジメントの第一人者、エリヤフ・ゴールドラット博士の絶賛を浴び、2007年4月に国策として正式に採用された。成果の数々は国際的に高い評価を得て、活動の舞台を日本のみならず世界中に広げている。2008年4月、ゴールドラット博士に請われてゴールドラット・コンサルティンググローバルパートナーに就任し、日本代表となる。東京大学MMRC(ものづくり経営研究センター)非常勤講師。主な著書に『全体最適の問題解決入門』『考える力をつける3つの道具』(以上、ダイヤモンド社)、『最短で達成する全体最適のプロジェクトマネジメント』(KADOKAWA)、『いま、あなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ』『脱常識の儲かる仕組み』(以上、アマゾン)、『子どもの考える力をつける3つの秘密道具』(ナツメ社)、監修書に『ザ・ゴールコミック版』(ダイヤモンド社)などがある。