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投資

【IPビジネス関連銘柄の通信簿】バンダイナムコ、サンリオは会社予想を上回る好決算、任天堂は不振でも上場来最高値を更新 投資家の期待を集める注目ポイントを分析

任天堂は2025年中の「Nintendo Switch2」の発売を発表しており、株価は上場来高値を更新している(AFP=時事)

任天堂は2025年中の「Nintendo Switch2」の発売を発表しており、株価は上場来高値を更新している(AFP=時事)

 日本企業は決算シーズンのピークを終え、IPビジネスの企業の多くが高値を更新、マーケットの注目を集めている。中には決算の数字が振るわなくても株価が上昇している企業もある。今回は、特に注目を集めている3つの企業について、個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。

IPビジネスの海外市場への展開加速

 かつて日本の製造業は世界を席巻し、経済を支える柱となっていた。しかし、近年ではその立ち位置が変化し、新たな成長産業として台頭しているのが「IPビジネス」だ。IP(Intellectual Property:知的財産)を活用したビジネスは、国内のみならず海外市場でも高い収益を生み出し、日本経済を支える新たな稼ぎ頭となっている。IP企業の多くが高値を更新しており、マーケットの注目を集めている。

 IPビジネスとは、キャラクターや作品の知的財産権を活用し、多角的に収益を上げるビジネスモデルのことを指す。映画、アニメ、ゲーム、音楽、出版、グッズ販売、イベント、テーマパークなど、さまざまな業態と結びつくことで長期的な収益を生み出せる点が特徴だ。特に、世界的なファン層を持つIPは国際展開の障壁を下げ、海外市場でも大きな収益を生む。

 日本のIPビジネスも、国内市場だけでなく海外市場への展開が加速している。特にアニメ、ゲーム、キャラクターコンテンツの分野で強みを持ち、世界市場でも競争力を発揮している。

 総務省のデータによると、日本のコンテンツ産業の市場規模は2020年に約14兆円に達し、今後も成長が期待されている。政府も「クールジャパン戦略」を掲げ、日本のIPコンテンツを通じてインバウンド誘致や海外展開を後押ししており、産業成長を支える追い風となっている。

 今回は、昨今の株式マーケットを見る上でも目が離せないIPビジネスの最前線を走る3つの企業と、そのIP戦略を見ていきたい。また、IPビジネスを展開する企業の株価が業績にかかわらず評価されている点についても考察する。

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