閉じる ×
投資

【IPビジネス関連銘柄の通信簿】バンダイナムコ、サンリオは会社予想を上回る好決算、任天堂は不振でも上場来最高値を更新 投資家の期待を集める注目ポイントを分析

任天堂(7974)

 任天堂は、日本を代表するゲームメーカーであり、世界的なエンターテインメント企業である。家庭用ゲーム機の開発・販売、ゲームソフトの制作を中心に、近年では世界的人気のIP(マリオ・ゼルダ・ポケモンなど)を活用した映画やテーマパークといったビジネスにも積極的に乗り出し、世界中で同社のIPに接する人口拡大を企図し、ファンを拡大させている。

 2月4日に発表された2025年3月期第3四半期決算は前年対比で売上高▲31.4%、営業利益▲46.7%、経常益▲42.3%、純利益で▲41.9%と、苦しい数字となっている。また、当初掲げていた通期見通しを大きく下方修正しただけでなく、減配の発表も行っている。第2四半期決算を発表した昨年11月5日にも業績の下方修正を行っていることから、2回連続の通期業績の下方修正となった。

 下方修正の理由としては、どちらも販売状況や今後の見通しを踏まえて、と発表されているが、株価のほうは右肩上がりで上場来高値を更新している。

 2025年内にも「Nintendo Switch 2」の発売を控えており、直近発表された証券会社のレーティングにおいても各社が「強気」や「A判定」、目標株価の引き上げを発表している。同社の持つIPビジネスの魅力と底力への期待と言えるだろう。

バンダイナムコ(7832)

 バンダイナムコホールディングスは、玩具、ゲーム、アニメ、映画、テーマパークなど、多角的なエンターテインメント事業を展開する企業である。ガンダム、ドラゴンボール、アイドルマスターなど、強力なIPを多数保有している。

「ガンダム」シリーズのIPは、プラモデル、アニメ、ゲーム、テーマパークなど幅広い展開を見せ、年間数千億円規模の市場を形成し、「ドラゴンボール」シリーズもグローバルで人気が高く、ゲーム・アパレルなどのライセンスビジネスが好調だ。

 近年ではメタバース事業への進出を進め、さらなるIPビジネスの展開にも力を入れている。2月5日には2025年3月期第3四半期決算が発表され、前年対比で売上+23.8%、営業利益2.3倍、経常利益2.1倍、純利益2.1倍という大幅な成長を発表した。また、通期の業績予想も売上、利益ともに上方修正しており、配当の増額修正、自社株買いの発表も行った。この結果を受けて株価は大きく反応し、史上最高値を更新し続けている。

 業績の上方修正理由として、「IP軸戦略を核に各地域や事業を横断、連携しALL BANDAI NAMCOで一体となった取り組みを強化し、事業面ではデジタル事業およびトイホビー事業の業績が、利益率の高い商品、サービスのヒット等により大きく伸長、IPプロデュース事業とアミューズメント事業も好調に推移」とIP戦略を明確に打ち出した経営をアピールしている。

 今後も同社のIPビジネス戦略は大きな注目が集まる。

次のページ:サンリオ(8136)

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。