まとめ
かつて製造業が日本経済を牽引していたが、現在ではIPビジネスが新たなリーダーとなりつつある。今回紹介した任天堂、バンダイナムコ、サンリオのような企業は、強力なIPを活用し、多角的な展開で収益を拡大している。
IPビジネスは単なるコンテンツ販売にとどまらず、ゲーム、グッズ、映画、テーマパークなど多方面へ広がり続けている。今後の成長が期待されるこの分野は、投資家にとっても魅力的な投資先と考えられているが、これら3つの企業は企業独自の適応力でIP産業へと進化しているところも注目である。
任天堂は1889年に花札やトランプの製造から創業した企業であり、バンダイナムコは1950年に玩具メーカーとして創業した企業である。サンリオは1960年にスカーフやネクタイ、ハンカチといった絹製品の販売で創業した会社である。
これらの企業が変化を繰り返し、IPビジネスに辿り着いていることを考えると、単にIPビジネスというブームに乗って今があるわけでなく、歴史の荒波に適応する対応力が企業の力となりIPビジネスを形成していることが想像できる。
つまり、マーケットで流行となっているテーマに注目することだけでなく、そのテーマを軸としている企業の歴史や背景を分析することで、その企業の本当の強みや、投資家から何を評価され、期待されているのかを考える一助になるだろう。
【プロフィール】
古賀真人(こが・まさと)/個人投資家、経済アナリスト、会社経営者、投資系YouTuber。1978年、埼玉大学経済学部卒業後、国内大手金融機関、外資系金融機関勤務を経て独立し、株式会社ライフサポートを設立。25年以上の株式投資経験を活かし、チャート分析からはわからない経済分析、個別企業分析をYouTube「カブアカちゃんねる」で展開。全決算を最速分析しているnote「カブアカマガジン」(https://note.com/masatokoga)を日々更新中。