北欧発のおしゃれで手頃なインテリアが揃うとして人気があるイケア
「うちでは取り扱えない」「追加料金がかかります」…引っ越しシーズンにおいて、これまで“業者泣かせ”の悩ましい存在とされてきたのがIKEA(以下、イケア)の大型家具だったが、少しずつその“事情”が変わりつつあるようだ。
スウェーデン発祥で、オランダに本社があるイケア。格安の組み立て家具を展開して世界的に人気を博す一方で、あくまでも分解&再組み立てを前提には製品が作られていない点が、家具を引っ越し先に持って行く習慣のある日本では悩みのタネとされていた。分解したら壊れるリスクがあるというわけで、実際、これまで責任を持てないことを理由に引っ越し業者に運搬を断られたり、別料金を請求されるケースは珍しくなかったことが、SNSでも多数取り上げられている。
一方で、イケア・ジャパンの広報担当者は、「家具の解体・再組立てに対応してくださる業者さまも増えたと認識している」と答える。その背景には、イケアの多角的な取り組みがあった。
運べないイケアの家具は捨てるしかないのか
古いソファは引き取ってもらえる
イケアは店頭で買った商品を顧客が家まで持ち帰る「キャッシュ&キャリー」という販売方法を家具業界に持ちこみ、業界内で世界一の売上を誇るまでに発展したが、これまでその家具のほとんどは“解体を前提としない”つくりだった。そんな家具を引っ越し先に持ち運べないとなると廃棄するか譲渡するかになるが、近年イケアでは不要になった家具を買い取るサービスも行っている。同社広報担当者が説明する。
「2017年より、お客様が不要になったイケアの家具をイケアストアにお持ちいただくと、状態に応じた金額で買い取る『家具買取りサービス』を開始しています。買取り金額はイケア店舗またはオンラインストアでご利用いただけるプリペイドカードでのお渡しとなり、引越し先の家具の購入にもお使いいただけるようになっています」(広報担当者、以下「」内同)