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【法律相談】自宅マンションで父の葬儀を執り行いたいが管理会社からは「遠慮してほしい」と連絡 弁護士は「断念する理由はありません」と回答、その根拠は何か

管理会社の許可がなくても「自宅マンションでの葬儀」は可能か(写真:イメージマート)

管理会社の許可がなくても「自宅マンションでの葬儀」は可能か(写真:イメージマート)

 葬儀は斎場以外に自宅でも行うことができる。ただ、自宅がマンションで、管理会社の許可が出ない場合はどうすればよいのか。自宅での葬儀を諦めなければならないのか、実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。

【質問】
 父は末期がん。本人も自覚しており、やりたいことはあるかと訊ねたら、葬儀はマンションで……と頼むのです。賃貸とはいえ、居間で過ごすのが大好きな父でした。でも、管理会社から他の住民が不快な気持ちになるので、遠慮してほしいと告げられました。マンションでの葬儀、諦めなければいけませんか。

【回答】
 自宅マンションでの葬儀を断念する理由はありません。お父さんが締結していたマンションの賃貸借契約は死亡により、相続人が借主の地位を承継します。相続人が複数だと、遺産分割前では共同相続人が全員で借家の権利を共有して引き継いでいくことになります。そこで相続人が賃借人として、賃貸借契約に基づき、マンション居室の使用ができます。

 マンションの居室用の賃貸借契約では、店舗使用禁止などの使用目的の制限、居住人数の上限の規制や共用廊下などへの物置きや動物飼育の禁止が具体的に定められている他に、例えば悪臭、騒音などで周囲に迷惑をかけてはならないなどの一般的な禁止条項も多く見られます。仮に、こうした規定がなくても、居室の使用で他のマンション住民が不快に感じたり、居室の異常な劣化を招いてマンションの評判や経済価値を低下させかねない行為を継続した場合には、賃貸借契約の基礎になる信頼関係を破壊することに繋がり、契約解除されることもあり得ます。

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