食育指導で施設入所者が穏やかに
コワい実話、笑えるエピソード、泣ける話……喜怒哀楽が詰まった1時間半のトークが大円団を迎えようとしたとき、「どうしても今日伝えたいことがある」と手を挙げた人がいた。知的障害者施設の職員だそうだ。
「以前、デカトワルさんの講演を聞いたのをきっかけに、私も入所者に食事指導を始めてみたんです。初めこそ半信半疑でしたが、わずか半月で、入所者たちが驚くほど穏やかになってきたんです。食を変えるとここまで変わるのか!という例をいまもまざまざと見せられています」と言うのだ。
いやもう他人事ではない。実はここ1か月の私は、精神的なピンチに見舞われていた。ご飯を作る気にならず、安い丼飯やラーメンばかり食べている。夕飯がカップ麺の日もあった。
食育は子供のためだけじゃない。心身ともに不安定になりがちな前期高齢者こそ必要だと、力いっぱい拍手を送りながら思った。
■前編記事《オバ記者が知り合った“ムショ仲間”「デカトワル」 全国で食育に関する講演をする“元刑事”と“元不良”コンビ誕生までの紆余曲折》から読む
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2025年3月27日・4月3日号