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自分の生活が苦しくても “投げ銭の沼”にハマる人たち 「手取り17万円でも20万円を」「親のカードに手を出して」…配信者に存在を認めてもらえる“安心感”が対価に

投げ銭の沼から抜け出せない人たちも(イメージ)

投げ銭の沼から抜け出せない人たちも(イメージ)

 3月11日、動画配信中の20代女性配信者が東京・高田馬場の路上で刺殺された事件。逮捕された40代の男は「月に10万円ほど投げ銭をした」と供述しており、改めて「投げ銭」という存在に注目が集まっている。

 投げ銭とは、ライブ配信の視聴者がオンライン上で配信者に金銭やギフトを送る行為。代表的な例はYouTubeの「スーパーチャット」で、視聴者が設定した金額とコメントを配信者に送ることが可能だ。こうした投げ銭は、配信者に感謝や応援を伝えられる反面、視聴者が多額の金額を投じ続けるという危うさも潜んでいる。

 SNSや大手質問投稿サイトなどで、「投げ銭がやめられない」という投稿が散見されることからも、決して珍しいことではないうえに、問題の深刻さを自覚する人も多いことがうかがえるが、それではなぜお金を“投げ”、さらにはやめられなくなるのか。実際に“投げ銭の沼”にハマった男性たちの声を追った。

手取り17万円でも投げ銭に20万円

「女性に頼られるのがうれしいから」と口を開いたのは、メーカー勤務の30代男性・Aさん(埼玉県在住)だ。収入は、ひと月の手取りで17万円。「“ガチ恋”ってわけではないです」と言いつつ、複数の推しへの投げ銭の合計額が20万円ほどにもなる月もあるという。「僕は推しには甘いんです」と頬を緩める。

「推しが困っている時、誰よりも僕が助けたい。投げ銭を始めたのは、彼女が“今月はお金が厳しい”と言っていたので、『○○を買うときの足しにしてね』という感じで、“○○代”としてお金を投げたのが始まりです。少額でもすごく喜んで僕の名前も呼んでくれたのがうれしくて、僕のお金が役に立つなら……と、どんどん額が膨らんだ感じです」

 自分の生活費が圧迫されるようになったAさんは、最近、副業に勤しむようになったという。

「“投げ銭代”を稼ぐため、今はフードデリバリーの副業をしています。推しにはいいものを食べてほしいんです」(Aさん)

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