大谷翔平がテレビ業界の救世主に(3月18日のMLB開幕戦。Getty Images)
大谷翔平の経済効果は様々なところに波及しているが、テレビ業界にとっても救世主となっているようだ。3月18日、MLB開幕戦カブス対ドジャース(日本テレビ系)の世帯視聴率が31.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)を獲得。1月3日の箱根駅伝の復路28.8%を抜いて、今年の世帯視聴率1位に躍り出た。
「今年の年間最高視聴率になる可能性もあります。昨年の1位はNHK紅白歌合戦(2部)で32.7%でしたから、紅白次第ではカブス対ドジャースの開幕戦がトップになるかもしれません」(テレビ局関係者。以下同)
近年、テレビもネット配信に力を入れており、世帯視聴率で30%を超えるのは至難の業となっている。令和になってからの大台超えは紅白と台風発生時のNHKニュース(2019年10月12日)、ドラマ『半沢直樹』(TBS系)、それ以外は全てスポーツになっている。
「スポーツと言っても、野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)、サッカーやラグビーのワールドカップ、オリンピック、全豪オープンテニスの大坂なおみ選手と世界的な大会がほとんどです。唯一の例外は箱根駅伝でした。カブスドジャースの開幕戦は世界一を争う勝負でも、日本一を決める戦いでもない。その試合で30%を超えるのは、近年稀に見る驚異的な数字です。そもそも、最近はゴーデンタイムの番組で2ケタを取るのも、かなり大変になっていますからね」
毎クール高視聴率を上げてきたドラマも、最近は世帯視聴率を落としている。NHK連続テレビ小説『おむすび』は12%程度、NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』やTBSの『日曜劇場・御上先生』は10%程度に留まっている。
「ニュースや世界的なスポーツ中継しか数字を取れない時代と言われていますが、どちらも昔よりは視聴率を落としている。例えば、サッカーW杯の日本戦は2022年のカタール大会では最高42.9%(テレビ朝日系/コスタリカ戦)でした。2018年のロシア大会では最高48.7%(NHK/コロンビア戦後半)だった。2018年のほうが22時台の放送で、時間は深くなっているにもかかわらず、この差が出た。なのに、大谷の所属するドジャースは去年の開幕戦(24.9%)だけでなく、過去の日本でのメジャー開幕戦よりも視聴率がいいんですよ」