メジャーよりも巨人のほうが人気があった時代
巨人戦の年間平均視聴率は、江川卓や原辰徳の活躍で優勝した1983年に歴代最高の27.1%を獲得している。平成に入った1990年代になっても、20%前後の数字を出していた。しかし、2000年から視聴率に陰りが見え始める。奇しくも同年、日本で初めてメジャーリーグの開幕戦、メッツ対カブス戦が開催された。
「メッツ対カブスの視聴率は13.6%でした。実はこの時、オープン戦の巨人対メッツは18.7%、巨人対カブス戦は18.1%と、メジャーの開幕戦よりも高かったんです。ヤンキースが2004年、デビルレイズと日本で開幕戦を戦った時は15.3%でしたが、オープン戦の巨人対ヤンキースは20.5%を取っています。松井秀喜と古巣・巨人の対決を見たいと考えたファンも多かったのでしょう。当時はまだ地上波での巨人戦の全国中継も毎試合ありましたし、このデータ上ではメジャーよりも巨人のほうが人気がありました」
小久保裕紀やタフィ・ローズなどの大型補強をしたものの、2004年の巨人は3位に終わる。翌年は26年ぶりの5位に転落し、年間平均視聴率は10.2%に落ち込む。すると、2006年から地上波テレビの中継が減っていく。それでも、巨人対メジャー球団のオープン戦とメジャー開幕戦の視聴率はあまり変わらなかった。
「松坂大輔、岡島秀樹の所属するレッドソックスとアスレチックスが2008年に来日した時、巨人対レッドソックスは11.7%、巨人対アスレチックスは10.2%でした。この時、レッドソックス対アスレチックスの開幕戦は12.8%でしたから、若干巨人戦より高かったくらいです。2戦目は、巨人戦を下回りました」