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藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

最近増えている「政策保有株の売却」が株価に与える影響 経営の透明性や資本効率の向上につながる一方で、売られた企業は短期的な株価下落リスクも

東証が資本効率向上を要請したことも「政策保有株」の見直しを後押ししている

東証が資本効率向上を要請したことも「政策保有株」の見直しを後押ししている

「企業が政策保有株を売却」というニュースを目にすることが多い。「政策保有株」とはいそもそもどのようなものか。なぜ注目されているのか。そして、株価にはどのような影響があるのか? 『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第135回は、「政策保有株」について。

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 最近、ニュースで「企業が政策保有株を売却」「政策保有株の見直しが進む」といった話題をよく耳にします。“「政策保有株」っていったい何? どうしてニュースになるの?”と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

 実はこの「政策保有株」、かつては多くの日本企業が“当たり前”のように持っていたものです。それが、最近になって手放す動きが広がっています。

政策保有株とは?

「政策保有株」とは、簡単に言えば、取引先や関係の深い企業の株を“お付き合い”として持つ株のことです。

 たとえば、自動車メーカーが部品を供給してくれる会社の株を持つ。すると、長い付き合いが続きやすくなりますよね。「これからもよろしく」という関係の証みたいなものです。また、お互いに株を持ち合い、突然の買収リスクを減らすという意味合いもあります。

 特にバブル期の1980~90年代、日本では企業同士が株を持ち合うことが広がりました。「おたがいさま」で経営を守るため、銀行や商社、大企業がこぞって取引先の株を持つ時代だったのです。

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