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キャリア
元マイクロソフト役員が教える「世界の一流の働き方」

世界の一流ビジネスパーソンも実践、“休日の過ごし方”で意識すべきは「左脳の疲労を取る」こと 元マイクロソフト役員は「デジタル機器を使わない時間を増やそう」と提言

コンピューターやAIを上手に使い、効率と効果を上げていきたい(イメージ)

コンピューターやAIを上手に使い、効率と効果を上げていきたい(イメージ)

「何もせず、無為に貴重な休みを過ごしてしまった……」と思ったことがある人は、案外多いのではないだろうか。かつてマイクロソフトで業務執行役員を務め、『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でもある越川慎司氏によれば、世界の一流は「休みをうまく使っている」という。休みをどのように「使う」ということかなのか。「休み=チャージ期間」とするための極意と、AI時代における“人間の役割”について、越川氏に話を聞いた。

「左の脳の疲労を取る」という休み方

 おそらく多くの方が、「世界の一流ビジネスパーソンは人よりも圧倒的に忙しく、休んでいない」と思っているのではないでしょうか。しかし実際は、たとえ世界の一流でも、僕みたいな三流でも、土日の時間は48時間であることは同じ。つまり有限の時間をどう活用するかが「休みをうまく使う」ことのポイントです。これは“こうしたい”という意欲の問題ではなくて、計画の問題ですね。

 そして海外の一流の方は肉体的な疲労を取るだけでなく、「左の脳の疲労を取る」という意識で休日を使っている方が多いのですが、まさに現代は、誰しもが左脳に疲労を蓄えてしまっています。

 左脳は、計算や言葉、理論のような論理的な思考をつかさどる部分、右脳は音楽やアイデアなど芸術的な分野をつかさどる部分です。

 我々の独自調査では、コロナ禍前後で、目に飛び込んでくる情報は15パーセントから20パーセント増えたことがわかっています。具体的にいえば、コロナ禍前は使っていなかったビジネスチャットやオンライン会議が日常的なツールになってきたということですね。そうすると、知らず知らずのうちに左の脳が疲れている。

 そのため、より意識してパソコンなどのデジタル機器を使わない時間を増やした方がいい。デジタルから離れ、自律神経を整えて、左の脳を疲れないようにしつつ、右の脳を活性化して、新たな発想で課題解決するとか、新たなものを作っていくことに時間を費やした方がいい。デジタルツールを使わない時間の方が重要だと僕は考えていて、「なるべくパソコンを使わない時間を作ろう」と声高に言っています。

 以前勤めていたマイクロソフト社には、四六時中コンピューター画面を見つめているイメージがあるかもしれませんが、実際のところは「コンピューターをもっと使おう」ではなく、「コンピューターを使うことで、効率と効果を上げていこう」という考え方です。例えば、売上の計算は電卓よりもExcelに入力した方が早いといったように、「働く人の潜在能力を解放する」というのが、マイクロソフトの理念です。

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