閉じる ×
キャリア
元マイクロソフト役員が教える「世界の一流の働き方」

世界の一流ビジネスパーソンも実践、“休日の過ごし方”で意識すべきは「左脳の疲労を取る」こと 元マイクロソフト役員は「デジタル機器を使わない時間を増やそう」と提言

AIができない「0から1」こそ人間が担うべき役割

 冷静に考えると、ITが働き方を変えることはないんですよ。

 人間は働き方を変えるときに、手段としてITを使います。しかし、そのせいで多くの企業が苦しんでいます。多くの企業が、ChatGPTや生成AIを導入しました。しかし当たり前ですが、導入しただけでは夢のような世界が広がることはないのです。あくまでもITは手段ですから、人間が効率を高める使い方をしない限り、働き方が変わらないどころか、脳の疲れを溜めるばかりになってしまいます。

 僕は7年ほど前からAIを使っていますが、もう「情報を集めてくる」とか「文章を書く、構成する」といったことは、ChatGPTの方が上回っている。だから、人間じゃなくてもいい仕事はAIに任せた方がいいと思っています。

 では人間に求められる役割は何か。それは“業務処理”ではなく、“仮説設定”と“想像力”だと思うんです。0から1を生み出すクリエイティビティと、それを基に妄想する仮説力です。AIはデータがないと分析できないので、0から1はできない。一方で、0から1、例えばデータ化されてない“経験”や“知識”ならば、僕の頭の中にある。つまり、妄想や仮説こそが、人間がいちばん得意な部分なんですよね。

【プロフィール】
越川慎司(こしかわ・しんじ)/株式会社クロスリバー代表取締役。国内外の通信会社に勤務した後、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。業務執行役員としてPowerPointやExcel、Microsoft Teamsなどの事業責任者を歴任する。2017年に株式会社クロスリバーを設立。世界各地に分散したメンバーが週休3日・リモートワーク・複業(専業禁止)をしながら800社以上の働き方改革を支援。京都大学など教育機関で講師を務める他、企業や団体のアドバイザーを務める。著書に『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『仕事は初速が9割』(クロスメディア・パブリッシング)など。

越川氏の著書『世界の一流は休日に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)

越川氏の著書『世界の一流は休日に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。