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投資

インフレ時に強い資産「ゴールド・ビットコイン・原油・牛肉・米ドル」それぞれの特徴と価格上昇の現在地

ゴールド(金):埋蔵量が限られていて長期的に値上がり期待

 ゴールドは鉄や銅に比べると希少性が圧倒的に高く、錆びないという強みもある。価値の永続性という観点からも評価が高い。また、円やドルといった法定通貨が、金融政策によって意図的に供給を増やすことができるのに対し、実物資産であるゴールドは、供給量が限られており、長期的に価格が上がりやすい性質を持っていると言えるだろう。裏を返すと、国家によって通貨の流通量が増加すると、その国の通貨の価値は目減りしていっているということになる。

 このことから、ゴールドはインフレ対策の代名詞と言われるようにもなり、投資家からの注目も高まっている。さらには、ポーランド、インド、トルコ、中国、ロシアを筆頭に、各国の中央銀行でも積極的に購入されている。

 価格も5年間で見ると+106%の上昇をしており、倍以上の価格となっている。上場しているゴールドのETF(上場投資信託)も多数あり、少額から安い手数料で購入するも可能。資産の分散先として注目度の高いコモディティと言えるだろう。

ビットコイン(暗号資産):桁違いの上昇を見せたが半値以下になるリスクも

 昨今、ゴールド同様、投資家から注目されているのがビットコインだ。ビットコインはデジタルゴールドともいわれ、前述したゴールド同様、発行上限が設定されており、供給量が限られていることから長期で見れば上昇する可能性がある資産の一つと言える。

 しかし目先の価格の動きはゴールドとは比ではないほどの高いボラティリティ(変動率)を持ち、ハイリスクハイリターンの商品と言える。前述のゴールドが5年で+106%上昇であるのに対し、ビットコインは14.7倍と、その差は桁違いだ。

 しかし、期間によっては買値から半分以下になる時期も見られ、安易に手を出すのは危険な商品と言えるだろう。

 また、致命的なリスクとして、保管リスクがある。暗号資産の大手取引所がハッキングされ、数千億円分の暗号資産が盗まれたというニュースはこの数年でも後を絶たず、多くの国々で被害が報告されている。北朝鮮が犯行に関与しているとのFBI声明も出ており、国家ぐるみで盗難ターゲットの資産になっている可能性もある。

 夢のように価格が上昇しても、盗まれてしまっては手元に1円も戻らないという根本的なリスクも持ち合わせている資産だということを理解する必要がある。

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