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ばあちゃんビジネス

【従業員は75歳以上のおばあちゃん】「うきはの宝」経営者が考える「高齢者ビジネス」のツボ 「実力を見越した上で、常に少し高めの目標を掲げる」、適度なストレスが力に

発行部数5000部の『ばあちゃん新聞』

発行部数5000部の『ばあちゃん新聞』

 日本は今、高齢化が加速度的に進行すると同時に、様々な社会問題をはらんでいる。そんな中、福岡県うきは市に、2019年に設立された会社が今、国内外から注目を集めている。会社の名前は「うきはの宝」、従業員は75歳以上のおばあちゃん。目的は、地域のおばあちゃんに「収入」と「生きがい」を提供すること。

 うきはの宝は、ばあちゃんたちの智恵を活かして「ばあちゃん飯」に「ばあちゃん食堂」「ばあちゃん新聞」「ユーチュー婆」など、「ばあちゃん」をキーワードにした商品を次々とヒットさせている。創業した地元出身の大熊充氏の著書『年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス』より、シニアたちとビジネスを進めるためのキーポイントを紹介する。

「ちょっとのムリはやろうぜ!」

 今の世の中でストレスは人間にとって「悪」だと思われています。

 新しいチャレンジ、特にその始まりは誰にとっても多かれ少なかれストレスになると思うけれど、「適度なストレス」はむしろ健康にとって良いものだっていうのが、僕の考え方です。ノンストレスはからだに良くない!

 だから、新しいことを始める時はこう言うんです。

「ムチャはいかんけど、ちょっとのムリはやろうぜ!」

 ばあちゃんたちはみんな「ムリムリ~」って言いながら、結局いつもノッてくれます。

 もちろん、「過度なストレス」は身体的にも精神的にも「悪」です。ただ、孤独の中でもがいてきた時期が長かった僕は、人と会うこと、働いて目標を達成することが、人生にとってどれほど大切か身をもって学んできました。

 人間にとって誰とも関わらず誰からも関心を持たれない状態こそが、生きていく上ではストレスよりもずっと「悪」だ! そう声を大にして言いたいくらいです。

 高齢者もきっと同じではないでしょうか。本来、年齢を重ねると人にかかるストレスは減るそうです。確かに、仕事をリタイアした後に社会との関わりが減ると、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスはぐんと少なくなりますからね。

 ただ、「せいせいした!」と喜んだのもつかの間、少し時間が経つと仕事をしていた頃を「あの頃は良かった」と懐かしむ人も多いと聞きます。

 適度なストレスは脳を鍛え、老化を遅らせるという医学的な研究報告があります。実際に、僕が親しくさせていただいている認知症専門医の先生からも、人と会って話をするとか、誰かと一緒に目標を達成しようとするなどの社会的な活動が健康長寿の秘訣であり、認知症の備えとしても有効だという話をお聞きしました。

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