こうした適度なストレスは、ばあちゃんたちが一〇〇しか出せないと思っていた能力を一二〇、一三〇まで伸ばしてくれます。ばあちゃんたちはストレスだと言ってるけれど、適度ならストレスは「悪」じゃない。
そして、忘れてはいけないのが声のかけ合いです。
「大丈夫、できるよ!」
「一緒にやろう!」
「みんなで達成しよう!」
そう声をかけ合いながらみんなで一緒に目標に向かって働くと、達成した時の爽快感が違います。
「できた!」「やればできる!」っていう大きな手応えは、ばあちゃんたちにとって自分らしく輝ける自信につながっていきます。自己実現ってやつですね。
思えば僕も、このビジネスを始めるずっと前、WEBデザインの勉強をしながらラーメン屋でアルバイトをしていた頃が一番幸せだったかもしれません。
「大熊くんに会いに来たよ」
そんなお客さんでこの店を埋め尽くすぞと思って、目標に向かって働いていましたから。
その頃の僕には声をかけ合ってくれる仲間はいなかったし、時間も限られていたけれど、勉強したいという意欲が高まってやる気に満ちていました。
目標に向かって進んでいる時って、人は生きがいを感じます。だから、目標は少し高く設定する。もちろん過度なストレスにならない範囲で。
※大熊充著『年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス』から一部抜粋して再構成
【プロフィール】
大熊充(おおくま・みつる)/1980年、福岡県うきは市生まれ。うきはの宝株式会社代表取締役。地元の高校を中退後、独学でデザインを学び、2014年デザイン会社を創業。デザイン会社経営の傍らソーシャルデザインを学び、地元うきは市の地域課題を解決すべく様々な活動を開始。生活に困窮し、生きがいを失っている高齢者に「生きがい」と「収入」を創出すべく2019年、うきはの宝株式会社を創業。福岡県知事賞を受賞した『蜜な干し芋』、発行部数5000部の『ばあちゃん新聞』など、ばあちゃんの知恵を活かしたヒット商品を続々と世に送り出す。75歳以上のばあちゃんがいきいきと働くうきはの宝の取り組みは、認知症専門家からも注目を集めている。