保険商品の契約はじっくり考えたい(イメージ)
多くの人にとって悩ましいのが保険の見直し。いざという時の備えではあるが、その「いざ」に対する正解はなく、結局は個人の考え方によるところも大きい。「20代で金融リテラシーを身に着け、日々お金を増やす努力をしてきた」という、資産2億円達成の人気ブロガー・斗比主閲子氏は、現在、生命保険と医療保険に入っていないという。
斗比主氏は「生命保険は小さい子どもがいる世帯でしか加入する必要がない」というが、どういうことなのか。同氏の著書『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』(幻冬舎)より一部抜粋・再構成、「医療保険への加入も必要ない」という“保険加入の考え方”を解説する。
国民健康保険&高額療養費制度があれば医療保険は不要
保険は、起きる確率は低いものの、起きた時には耐えられない損害が生じるものに対して掛けることが原則です。
生命保険は小さい子どもがいる世帯でしか加入する必要がないとお話ししたのは、比較的若い時期に亡くなるという確率の低い事象に対して、起きた場合は通常の家計では対応しきれない1000万円単位の養育費が必要になってくるからです。
起きる確率が高く、損害が大きい出来事に対しては、通常は保険会社は保険を売ってくれないか、手数料が非常に高くなります。みんながみんな交通事故を当たり前に起こす国や地域なら、保険会社は保険料を多く取らないと赤字になってしまいます。このように起きる確率が高い事象に対しては、自分の貯金で手当てをするのが正しいです。
また、損害金額が小さければ、そもそも気にする必要もないでしょう。どうしても気になるなら、こちらも貯金で手当てをすることになります。
この原則に当てはめると、ほとんどの人が民間の医療保険に加入する必要がないことが分かります。実際、私は資産形成をする前から一度も民間の医療保険に加入したことがありません。別に、自分が絶対に病気にならない自信があったわけではなく、仮に病気になったとしても、この日本でならすべての医療費を自分で負担できると考えたからです。
日本の健康保険は非常に優秀です。年齢や所得にもよりますが、医療費の自己負担額が1~3割なのはご存じの通りです。医療の質は世界的に見てもかなり高いレベルですし、同じく国民皆保険制度があるイギリスと比べても待ち時間は少なくサービス水準も良いです。その上、国民健康保険には高額療養費制度があり、自己負担額が一定金額を超えると、年齢や所得にもよりますが、支払った医療費が戻ってくるのです!