熟年になって離婚する夫婦も多い(イメージ)
2023年の人口動態統計によると、離婚率(人口千対)は1.52と、前年の1.47より上昇した。離婚率が最も高いのは沖縄県の2.19、最も低いのは富山県の1.14だが、「離婚したいと思ったら、先延ばしにせず即断すべし」と持論を語るのは、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏。40代後半に東京から佐賀に移住して、周囲に離婚経験者も珍しくないなかで生活を送る中川氏が、「離婚をするタイミング」について考える。
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もはや離婚という話に驚くこともなくなった現代ですが、かつてバリバリ仕事をしていた東京時代に比べて、佐賀・唐津でセミリタイア生活を送っている今、なんだか周囲に若くして離婚した人たちが目につくようになりました。そもそも地方都市のほうが結婚する年齢が早いということもあると思いますが、若くして離婚するからこそ財産でモメるケースは少ない。
地元で結婚・離婚を繰り返すこともよくある話のようですが、狭いエリアゆえ、別れても顔を合わせることもある。そうした時、気まずいことになるのかと思いきや、「オー!」なんて挨拶したりしていて、ようするに恩讐が少ないのです。
「熟年離婚」という言葉がありますが、円満な熟年離婚は夫婦それぞれが食い扶持を得られる自信がある場合に現実化する話。その後の人生で金銭面の不安があるならば、財産を巡り大激突が発生してしまう。それが、若ければそもそも財産があまりないし、そこから互いに頑張って働けばいい、という割り切りができるわけです。
「もっと早く自由を手に入れていたら…」
もちろんさまざまな家族の形があると思いますが、仮に20代で結婚し、30代までに子供をもうけたとして、もし何か結婚生活につらさを感じ続けていたとしたら、60代以降で離婚をするのと、もっと若いうちに離婚をするのは、その後の人生設計が大きく変わるでしょう。
私の知人の現在60代前半の女性は、50代後半になって離婚しました。彼女はこう語ります。
「30代の頃から離婚は考えていたのですが、貯金が1000万円台になるまで……、子供が独り立ちするまで……、義父・義母が亡くなるまで……などといった条件をその都度設定して、離婚を引き延ばしてきました。夫も同じような考えだったと思います。
でも、そうすると、日々の生活がつまらないし、ギスギスする。ある時から夫と直接会話することもなくなり、コミュニケーションはLINEだけになりました。我が子のため、義父・義母のため、という言い訳をしていたものの、結局は自分で踏ん切りがつかなかっただけかな、と思います。シングルマザーとして子供を何年間か育てた方が良かったのでは、と今になっては思います」