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【使われない郵便ポスト】全体の4分の1は「1日1通も投函されていない」状態…“いくら値上げをしても赤字を垂れ流す”日本郵便の構造的問題

1か月あたりの投函量、郵便物は減ってもポストは維持

1か月あたりの投函量、郵便物は減ってもポストは維持

1か月の投函が「1通以下」のポストも7000本弱

 利用がないのは早川町特有の問題ではない。2023年に日本郵便がまとめた資料によると、同年3月末のポスト設置本数は約17万5000本。20年間で郵便物は40%超減少したのに、法令で設置基準が定められているポストの数はわずか5.9%しか減っていないという。

 当然ポスト1本あたりの利用は少なくなる。1か月30通以下、つまり1日1通も投函されないポストが全体の25.1%を占めた。全自治体の約4割にあたる過疎地では、この割合が49.7%になる。1か月の投函が「1通以下」のポストも7000本近くあった。

 日本郵便にこの現状について聞くとこう答える。

「郵便ポストの近隣の状況の変化に伴い、既設置場所が不適格となった場合は、利用通数や設置基準に照らし合わせ、撤去または移設を実施しています」(広報宣伝部)

 ただ、“使われないポスト”をそのままにする姿勢は業績の悪化に直結する。日本郵政の昨年9月の中間決算で、郵便・物流事業は営業損益が947億円の赤字だった。全国紙経済部記者の解説。

「人件費や物流コストの増加が要因です。利用者のほとんどいないポストや郵便局を残すことが優先され、コストを減らす努力が見えない。それなのに30年ぶりに郵便料金を上げ、黒字転換を目指している。国民の理解を得られるのか疑問です」

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