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ビジネス
日産新社長を操る“影の支配者”の正体

【社長交代の日産】既得権益化する“社外取締役”に社内から反発、ガバナンス問題再燃の懸念 新社長は「ホンダとの協業は止める必要はない」と再交渉も視野に

日産のエスピノーサ新社長の手腕が問われる(時事通信フォト)

日産のエスピノーサ新社長の手腕が問われる(時事通信フォト)

 トランプ大統領による関税強化に揺れる自動車業界。なかでも苦しいのが業績不振にあえぐ日産だ。ホンダとの経営統合破談を受け、経営陣が大幅刷新。イヴァン・エスピノーサ新社長のもとで難局に臨む。ジャーナリスト・井上久男氏がその内幕をレポートする。【全3回の第3回。全文を読む

新社長はホンダとの再交渉に動くのか

 ホンダとの経営統合破談を受け、トップ人事を決める指名委員会は、内田誠前社長の後任を巡って2つに割れた。独立社外取で監査委員会委員長の永井素夫氏(みずほ信託銀行元副社長)ら3人がエスピノーサ氏を、残り2人がCFO(最高財務責任者)のジェレミー・パパン氏をそれぞれ推したという。

 3月11日の取締役会で正式に新社長にはエスピノーサ氏が就くことが決まった。このため日産社内には、エスピノーサ氏は、自身を推した永井氏の影響を受けるのではないかとの見方もある。またみずほ銀行は、日産がホンダと再交渉することを望んでいる、とも見られている。

 こうした状況から「新社長はホンダとの再交渉に動くのではないか」(金融関係者)との読み筋もある。

 ただこうした見立てに対して、日産社内には強い反発もあるようだ。ある日産役員はこう語る。「独立社外取締役と言いながら、銀行から独立していないように見える永井氏の動きはおかしいのではないか」

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