せっかく手にした株主優待なのだから、すべて使い切りたい
トランプ米大統領の関税政策をめぐって株式市場が稀に見る乱高下となっている。保有銘柄の値上がりによるキャピタルゲイン狙いの投資はこうした急落局面でリスクを実感することになるが、一方で長期保有による配当金や株主優待などインカムゲイン狙いの投資は影響を受けにくい。とりわけ、自社サービスの優待利用券などを用意する優待銘柄は内需関連株であることが多く、関税や円高といった“トランプショック”に左右されにくい側面もある。そうしたメリットが考えられる優待銘柄の活用法について“達人”に話を聞いた。
株式優待狙いで株式投資をしたものの、優待品の食事券や割引券などの期限が切れてしまい、肝心の株主優待の恩恵を受けられなかった経験がある投資家は少なくないだろう。警察官僚から刑事、さらには弁護士に転身し、保有する約250銘柄は「ほぼ優待銘柄」という投資家の澤井康生氏(53)が「失敗しない株主優待の管理法」を語る。
1万5000円分の優待券が利用できなくなったワケ
澤井氏は株主優待目的で約10年前から株式投資を開始し、様々な優待品を受け取ってきた。現在保有する優待株は約250銘柄。現物で届くものもあれば、食事券や割引券などが送られてくる場合もある。優待品をどのように管理しているのか。
「優待品が届いた段階で、食事券や割引券、カタログギフトなど使用期限のある優待品と、QUOカードやお米券、クレジット会社発行ギフトカードなど使用期限のない優待品に仕分けします。使用期限付きの食事券などはできるだけ鞄の中に入れておき、いつでも使えるように心がけています」(澤井氏・以下「」内、同じ)
とはいえ、澤井氏はたくさんの銘柄の株主優待を受け取っている。すべての使用期限付きの食事券や割引券を常に持ち歩くわけにはいかず、無駄にしてしまう失敗が幾度もあったと打ち明ける。
「株主優待券の管理が甘くて使用期限切れになってしまったことは何回もあります(笑)。過去には、居酒屋で使える優待券1万5000円分を放置して期限失効になったという失敗もあります。うっかり使用期限を忘れていたのですが、すごくショックでした」
失敗を反省した澤井氏が講じた対策とは、どんなものだったのか。
「エクセルで表を作って管理できればいいのですが、さすがにそこまではできないので、常に目に届く範囲に使用期限付き優待券を置くようになりました。気になった時にすぐ確認できる方法です」