資産1億円以上を持つことは普通の人でも十分可能(写真:イメージマート)
人生100年時代に突入し、「老後を見据えてどれくらいのお金があればよいだろうか」と悩む人も少なくないだろう。投資で資産2億円超を築いた兼業投資家・東山一悟氏は「若いころから投資をすれば、世間の中央値をはるかに超える金額を持つことが可能」という。
現在は資産収入と労働収入で生活する“サイドFIRE生活”を実践中の東山氏は人生で必要なお金についてどう考えるか。自身の娘のためにこれまでの投資や資産形成の経験、生きるために必要な知識を記した著書『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』より一部抜粋・再構成して、東山氏の考えを紹介する。
* * *
ここでは、人生でいったいどのくらいの資金が必要なのか考えてみたい。老後が不安な人は多いだろうし、事故で大けが、病気、失業といった暗い出来事に見舞われることがあるかもしれない。あるいは結婚、出産となれば費用がかかる。海外旅行や高級車を買いたいという消費意欲が増すかもしれない。
とはいえ正確なことは未来にならないとわからない。
……と、ここで終わってしまったら身もふたもないので、今、他の人はどのくらいの資産を持っているのか見てみよう。
世帯別の金融資産
大手シンクタンクの野村総研は、世帯の金融資産額によって5階級に分けている。
2023年の発表では、3000万円未満がマス層、3000万円以上5000万円未満がアッパーマス層、5000万円以上1億円未満が準富裕層、1億円以上5億円未満が富裕層、5億円以上が超富裕層だ。このうち、マス層が78%を占めている。
つまり3000万円以上になったら上位2割だから、まず合格といえるだろう。
1億円以上の人の割合は2.8%と35人に1人が富裕層以上。単純に考えると小学校のクラスに1人ぐらいはいることになる。
ぼくが通勤している満員電車のぎっしり詰まった車内に300人ほどいるとすれば、8、9人は富裕層ということになる。だから、数は少ないけれど、ものすごく少ないというわけではない。日本ではちょっとした運と努力と才能、それに時間があれば十分に達成できるはずだ。
億万長者というと莫大な収入か、投機やギャンブルで大儲けした印象がある。しかし、実際にはコツコツと長期で投資をしてきた着実な方法の人も多く、そちらの方が再現性にも優れている。