スタンリーの法則で考える「蓄財優等生」「蓄財劣等生」
これは年収×年齢×10分の1を期待資産額とするものだ。そして、期待資産額の2倍以上あれば「蓄財優等生」、半分以下だったら「蓄財劣等生」と呼ぶ。億万長者でなくても、蓄財優等生だったらお金持ちと見なした。
ただし、定期的な収入がある人が対象で、無職の人には当てはまらない。
例えば、飲食店に勤めるあんずさんは30歳で年収が400万円。期待資産額は1200万円なので、2400万円以上あればお金持ち、逆に600万円以下なら劣等生となる。
自動車メーカーの部長をしている真司さんは50歳で年収が1000万円。すると期待資産額は5000万円だから、1億円以上、つまり億り人になっていればお金持ち。2500万円以下なら資産劣等生だ。
興味深いのは2人の資産がともに2400万円だった場合、あんずさんはお金持ちなのに真司さんは資産劣等生になってしまうことだ。
それは、年齢、年収をもとに判断しており、それまでの人生でいかに蓄財、資産運用にまじめに向き合ったのかの評価だからである。
あんずさんの資産が2400万円とすると、今と同じような水準で資産を増やし続ければ、時間はたつけれど億り人に到達するだろう。逆に真司さんの資産が今2400万円とすると生活水準を改めるか、宝くじが当たるなど突発的な収入がない限り困難といえる。
※東山一悟・著『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』を元に一部抜粋して再構成。東山氏がいま注目する個別株については、関連インタビュー記事『《投資で2億円稼いだ東山一悟さんが選んだ最新注目銘柄5》危機の時こそ「実力のある企業の株を安く手に入れるチャンス」 要注目はAI関連、不動産開発、コンテンツ産業』で紹介している。
【プロフィール】
東山一悟(とうやま・いちご)/会社員、投資家。1969年、東京都生まれ。1991年、筑波大学卒業。同年、メディア企業に入社。2020年、同社を退職。著書に『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』(JTBパブリッシング)がある。