観戦チケットの抽選受付に応募が殺到し、いよいよ本番に向けてムードが高まってきた東京五輪。
開閉会式を演出する総合統括に狂言師の野村萬斎氏が就任するなど、パフォーマンスに注目が集まる。
その開会式や表彰式では、各国の「国旗」が選手団の先陣を切り高く掲げられる光景を目にする。競技場の整備などに数兆円と言われる莫大な予算が投じられる中、そこで使われる国旗のお値段はいかほどか。
1964年の東京五輪で組織委員会の国旗担当職員を務めた吹浦忠正氏が語る。
「国旗は全参加国・地域分を開催国が用意します。1枚3万~4万円で、2020年大会では1万枚以上作ります。
1964年当時は、生地や染料、色合いなどを参加国の了承を得て決めましたが、2016年のリオ大会以降、国際オリンピック委員会が決めた仕様で製造されるようになりました」
最大で3か月間にわたって外気に晒されることを想定し、劣化が少なく燃えにくい素材が使用される。
ちなみにシンプルなデザインの日の丸も、複雑でカラフルな国旗も制作費は基本的には変わらないというが、国旗だけで3億~4億円とは、さすがスポーツの祭典だ。
※週刊ポスト2019年6月7日号