若年性のアルツハイマー型認知症は遺伝的な要因が強く、“進行が速い”ともいわれる。しかし必ずしもすべてではないと内門さんは言う。
「個人差がかなりあるのです。進行速度の要因はまだ解明されていませんが、診断から10年近く経過しても認知機能が維持されているケースもあります。治療を始めた時期や元来の性格、日常の活動、周囲のサポートなど、いろいろな要因が考えられます」
そして若年性認知症は発症頻度が少ないこともあり、本人が気づかなかったり、受診しても見逃されたりして、治療が遅れることが少なくない。そんな状況から、若年性の場合は特に、かかりつけ医などを経由せず、専門医療機関の受診を勧めている。
「認知症は、最初に相談する医師がとても重要です。高齢者は、認知症以外にも複数の病気を併発していることも多いので、総合的に診てくれるかかりつけ医に相談するのがよいとされています。
しかし、かかりつけ医が必ずしも認知症に精通しているとは限りません。若年性の場合はほかの病気を併発していないことが多いので、認知症が気になれば専門医を受診するのが近道。少しでも早い専門的治療で進行を抑制することも期待できます」
認知症治療について豊富な知識と経験を持つ認知症専門医は、日本認知症学会のホームページから検索できる。
※女性セブン2019年6月20日号