輸入牛といえば、今やオーストラリア産やアメリカ産ばかりではない。チェーンレストラン『ブロンコビリー』では、解禁されたばかりのウルグアイ産牛肉の新メニューが登場したが、財務省「貿易統計」によると、2019年1月、牛肉の輸入量は前年の1.4倍に拡大し、今後さらに増える予想だという。
一方で、輸入牛の独特のにおいが気になるという人もいるかもしれないが、最近では飼育方法などの工夫で日本人好みに改良されつつあるという。全国のイオンリテールの売場品揃えから販売計画までを担当し、牛肉の調理方法、捌き方を熟知しているイオンリテール・畜産商品部の高橋和明さんが話す。
「牧草だけを食べて育つ輸入牛は独特の風味があり、日本人の口には合わないといわれてきました。そのため、日本に輸出する牛には出荷前に穀物を与えるなどの工夫で、最近の風味はだいぶ国産牛に近づいてきています」
国産牛との味や品質の違いも気になるが、輸入牛は運搬中に熟成が進み、赤身の旨みを味わえるという特長もある。
「筋肉質の輸入牛は赤身肉の旨みがしっかり感じられ、部位によっては和牛よりも栄養価が高い点が人気です。また近年、イオンリテールの輸入肉は冷凍ではなくチルド(0℃程度の冷蔵)での輸送が増え、以前よりも肉本来の旨みを堪能することができます」(高橋さん)