「6・3政府報告書」では資産寿命をできるだけ長くするために、「現役期」「リタイヤ前後期」「高齢期」に分けてどんな心構えをすべきかが指南されている。
現在の平均寿命は男性が約81才、女性が約87才と過去最高を更新中。今60才の平均余命は、男性が約24年(約84才)、女性が約29年(約89才)と、女性の多くが90才近くまで生きるとされる。
だが、介助が不要で、ひとりで日常生活が送れる期間である「健康寿命」に目を向けると、男性約72才、女性約75才と、平均寿命より8~12年短い。厚労省によると、1人当たりにかかる医療費は約280万円。介護費用は500万円以上もかかるという。
「年金博士」として知られる社会保険労務士の北村庄吾さんが話す。
「高齢化の影響は、年金だけではありません。健康保険料も、現在の平均10%から、近く12%の上限まで引き上げられます。高齢化に伴い、現役世代の可処分所得はどんどん減っていくのです」
現役時代にしっかりと資産を作っておかないと、体が動かなくなり、働けなくなってからでは、資産を増やすのは難しい。だが、昨今は現役世代の収入も急減していて、日銀によると、ほぼすべての世代で「貯蓄ゼロ」世帯が急増。具体的には、20代で61%、30代で40%、40代で46%、50代で43%が、貯蓄ゼロだ。リタイア時(65才)で貯金や資産がなければ、目の前に迫るのは「老後破産」だ。一刻も早く対策を打つほかない。
※女性セブン2019年6月27日号