ひきこもりの自立支援を行うワンステップスクール代表の廣岡政幸さんもこう話す。
「ここ数年、30~40代のひきこもりの子供を持つ70~80代の親からの相談が急増しています」
年老いた両親(80代前後)がひきこもりの子供(50代前後)の生活の面倒をみる「8050問題」はより深刻なひきこもり問題だ。「大人のひきこもり」はなぜ増えているのか。
「そもそもひきこもりは、バブルが崩壊して経済が低迷し、1990年代半ばから約10年にわたって続いた就職氷河期で新卒採用が大幅に抑制されたことに始まります。正社員になれない若者は『自己責任』と片づけられ、社会に出るタイミングを逸して親に依存する『パラサイト・シングル』(1997年に登場した造語)になりました。世間から排除されたまま20年あまりが経った今、彼らが『大人のひきこもり』として社会問題になったのです」
そう分析する橘さんをはじめ、多くの専門家が口を揃えるように、そうした要因が1つの背景にあることは間違いないだろう。
※女性セブン2019年7月4日号