心理学者の富田隆さんも付け加える。
「女性は言語知能の発達が早く、言葉だけでなく、相手の表情やしぐさなどを含めて感情を理解し、うまく表現できます。それと比べると、どうしても男性の方が孤立しやすいといえます」
ただし、男性ばかりに焦点を当てると、女性のひきこもりを見過ごしてしまうことにつながりかねない。ひきこもりの現場を20年以上取材してきたジャーナリストの池上正樹さんは、こう指摘する。
「各種調査では自宅で家事や育児をしている女性は『主婦』や『家事手伝い』として調査対象から除外されがちですが、その中にはひきこもりといえる女性が少なからずいます。
一日中家庭にいることで人間関係が希薄になり、喪失感に苛まれる女性は決して少なくない。私のところに日々寄せられる相談メールは男女半々で、統計データなどにとらわれすぎてしまうと見誤ることがある。もっと寄り添って考える必要があります」
※女性セブン2019年7月4日号