中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

阪急広告「はたらく言葉たち」はなぜ炎上したのか 実はいい言葉もあるが…

『はたらく言葉たち』の中にはどんな言葉が紹介されているのか

 企業ブランディングを手がけるパラドックスと阪急電鉄がコラボした「ハタコトレイン」の企画が炎上し、中止に追い込まれた。同企画は、パラドックスがまとめた書籍『はたらく言葉たち』シリーズから選んだ言葉を車内広告として掲出するというものだったが、特に批判を集めたのが、〈毎月50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか。(研究機関 研究者/80代)〉という言葉だ。

 この企画はなぜ炎上したのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、同書の1巻(2011年発行)と最新版の8巻(2018年発行)をあらためて読み込んだうえで、炎上の要因を考察する。

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〈毎月50万円もらって……〉の言葉については、ネット上では「30万円も給料もらっていない!」といった批判が多数書き込まれました。それはもっともだと思います。

 ただ本書は、全体を読まない人からちょっと叩かれすぎたかな、とも感じています。あらためて読んでみると、登場する「元プロ野球選手」とか「俳優」ってけっこういいこと言ってるんですよ。

〈二流は、5人の人から違うことを言われたら「言ってることが違うじゃないか」とクレームを言う。一流は、5人の人から違う意見をもらったら「ラッキー」と言う。(元プロ野球選手 50代)〉(8巻)

 ほかにも、これもいい言葉じゃない? というのがいくつかありました。

〈なんだか自分は楽してるな、と思えるもので成果が出ていたら、それが強みなんだそうです。(コンサルティング 役員/40代〉(8巻)

〈人は食べないと生きていけない。だから僕たちは、腕さえあれば世界中どこでも生きていける。(飲食 オーナーシェフ/40代)〉(8巻)

〈経営者だけ、いい車に乗っている会社にはしたくない。絶対に、社員を幸せにするんだ、俺は。(コンサルティング業/経営者 40代)〉(1巻)

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