6月は大手の採用解禁が本格化する。大学生はもちろん、ボーナス後に転職活動を始めるという社会人も少なくないようだ。就職活動において、面接は避けて通れない道。応募者は、書類だけでは測れないスキルや人柄を見極めるためという名目で面接官に様々な質問をされるわけだが、中には不快な思いや思わぬ経験をするケースもある。
転職活動中の30代男性・Aさんは、SNS経由でITベンチャー企業からスカウトされた。「関心があることや業界のことなど、フランクに情報交換しましょう」「職場の雰囲気を知ってもらいたい」「転職する意志がいますぐなくても、話を聞くだけでかまわない」などと言われ、軽い気持ちで企業を訪問した。
カジュアルな面談と思って臨んだAさんを待ち受けていたのは、想像とはかけ離れた“ガチ面接”だった。
「いきなり社長が出てきて、『志望理由は?』『あなたのスキルは、うちでどう生かせる?』などといった本気の質問をされました。帰宅後次のステップに進むか迷っていたところ、スカウトしてきた人事担当者から『活躍できる職種はない』などと“お祈り”メールが来ました。選考なら選考と言ってほしかったですね。面談の皮を被った面接は本当に辞めてほしい。すごく悲しくなりました」(Aさん)
Aさん同様、面接時に不快感を抱くことがあったと話すのは、大手企業に勤める20代男性会社員のBさんだ。
「某IT企業の面接を受けた時、『うちはベンチャーだからいろんなことが大手のようにはいかないが、覚悟はあるか?』『教える人もいないから、すべて自ら、自費で学ぶことになるよ』などとやたら挑発的に言われたのにはびっくりしました。『そのスキルではうちは厳しいと思うよ』と説教されたことも。それなりに覚悟はあるつもりでしたが、そもそもそういう言い方をする意味はあるのか、疑問に思います」(Bさん)