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要介護でも働ける「仕事付き高齢者住宅」、収穫野菜200袋が完売も

年齢や介護度などによる制約なしで農作業に従事でき、報酬もあるという

年齢や介護度などによる制約なしで農作業に従事でき、報酬もあるという

「高齢になったら仕事は引退し、家族など人の世話になる」というのが、一般的な老後のイメージだろう。しかし、今や老後は長い。体が衰えたり認知症になったりしても何もできなくなるわけではない。世話をされる一方ではなく、役に立ちたいと思う高齢者も少なくない。

 介護付き有料老人ホームに住みながら、農作業などで“働く”という試みも行われていて、参加者には生き生きとした活気が増しているという。この試みを実践している社会福祉法人伸こう福祉会理事長の足立聖子さんに聞いた。

 伸こう福祉会が運営する介護付き有料老人ホーム・クロスハート湘南台二番館など2施設では、2017年から「仕事付き高齢者住宅プロジェクト」事業を行っている。この“仕事”とは、ケアのためのアクティビティーではなく、少額ながら報酬もある。

 仕事の1つが農作業だ。施設から車で5分ほどの場所にあるビニールハウス『クロスハートファーム』でルッコラやフリルアイス(レタス)などの葉野菜を育てている。

「東レ建設の高床式砂栽培『トレファーム』を活用しています。プランターが高さ80~85cmくらいに設置されているので、腰を曲げずに、また車いすでも楽に作業ができます。土ではなく砂のため軽い力で収穫でき、地表に這わせた管から適切な量やタイミングで水、肥料も出るしくみ。

 本来なら相当な手間と力が必要な作業ですが、このハイテク技術で、要介護の高齢者でも種まきから収穫までやり遂げることができるのです」(足立さん・以下同)

 この“仕事”の参加者は、2施設合わせて約150人の入居者のうち、希望した75~98才の15人。年齢や介護度などによる制約はないという。作業は毎週1回、30分程度。そのほかの日は施設に在籍する70才以上のスタッフが畑の見回りでバックアップ。仕事の喜びを分かち合う。

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