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定年後の二世帯同居のメリット 医療費も保険料も相続税もお得に

 年金額が少ない場合、「子供の扶養に入る」という手もある。

「同居する親(60歳以上)の年収が180万円未満でかつ収入が子供の半分未満ならば、子供の健康保険の扶養に入れます。すると75歳で後期高齢者医療保険に加入するまで親の健康保険料がゼロになります」(森田氏)

 二世帯同居を始める時に多いのは、鈴木さんのように子供が実家に戻るか、新たに二世帯住宅を建てるというパターンだ。子供が出戻る際は、実家をリフォームすることも多い。

 森田氏は「リフォームには様々な優遇策がある」と指摘する。

「自宅の劣化対策として『長期優良住宅化リフォーム推進事業』を利用すると、最大300万円の補助金がもらえます。ほかにも各自治体には二世帯化リフォームやバリアフリー化工事の様々な補助金制度があるので、有効活用したい」(森田氏)

 様々な面で利点が大きい二世帯同居だが、注意したい点もある。昨年、長男一家と同居を始めた高田さん(68)が肩を落としてつぶやく。

「家のリビングを共有にしたのですが、孫の友達や嫁のママ友が頻繁に遊びに来るのでまったく落ち着かない。かえって部屋に閉じこもることが増えて不健康になった気がします」

 異なる世代が一緒に暮らすことで、不和が生じることは十分に起こり得る。何をどこまで許容できるのか、あらかじめ家族で話し合っておくことが肝要だ。うまくいった時の効果は、そのぶん大きい。

※週刊ポスト2019年7月19・26日号

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