その金利の高さからFX(外国為替証拠金取引)トレーダーに人気のトルコリラだが、トルコで中央銀行総裁が更迭されるなど金融政策面で不透明な状況が続いており、今後の相場展開は予断を許さない状況だ。はたして今後のトルコリラ円はどう推移するのか。FXなどのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。
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現在、主要国が緩和政策へ舵を切り始めたことで、ドルの価値が相対的に高まっています。通貨安競争が始まれば、ドル円以外のトルコリラといった新興国通貨にも影響を与えるでしょう。今回はドル円やNYダウ、トルコリラの現状について見ていきます。
7月6日、トルコのエルドアン大統領は、かねてより政策金利に関して見解の相違が話題に上っていた、トルコ中央銀行のチェティンカヤ総裁を更迭。後任はウイサル副総裁が就任し、その後の副総裁の会見では利下げを示唆する発言も見られました。25日のトルコ中央銀行の金融政策決定会合で、利下げを発表する可能性が高まったといえます。
直近のトルコリラ円は、安値1トルコリラ=17.50円から戻り高値1トルコリラ=19.34円まで1.84円上昇しましたが、その後フィボナッチリトレースメントの38.2%水準まで下落し、現在は小幅のレンジで推移。50%水準まで価格が押すと18.42円です。
現在のトルコリラ相場は、市場が利下げを織り込みつつあるなかで、目先の下落をトルコ中銀の為替介入が止めている状況です。投資家の中には、大きな利下げもあり得ると考える人がいるようですが、個人的には利下げ幅は0.5%程度と予想します。市場の予想利下げ幅に至らない場合、トルコリラ円は反発する可能性もある、ということは頭の片隅に置いておきましょう。