最高値更新後のNYダウの行方
一方、米国株市場は好調です。3日、NYダウは3度突破できなかった抵抗ラインを上抜け、史上最高値を更新しました。アメリカでは自己資産を預金ではなく株で持つ人も多いため、彼らにとっては嬉しい状況でしょう。
NYダウを構成する銘柄は、定期的に見直され、トレンドが出ている銘柄と入れ替えることもあります。それが、NYダウが何十年と上昇トレンドを描き続けている理由のひとつです。そうしたことから高値更新後もさらなる高値を追うケースが想定され、今回も買い上げる投資家は少なくないのではないでしょうか。
NYダウは3日以降も高値更新が続いており、バブルが弾けるような前兆はまだ感じられません。しかし各テクニカルツールに目を向けると、買われ過ぎを示唆するテクニカルも現れているので、トレードする人はポジションサイズに気をつけたほうがよいでしょう。
ちなみに、ドル円は、直近の高値1ドル=112.41円から安値1ドル=106.75円の下げ幅に対して、フィボナッチリトレースメントで38.2%戻りを達成しました。現在はその戻り上げ幅の2.25円に対して50%押した価格、1ドル=107円後半から1ドル=108円の小さなレンジで推移しています。日経平均株価は、日足の移動平均線や一目均衡表の基準線にサポートされ、21500〜21900円台のレンジ相場が続いています。
7月の米雇用統計発表後、利下げ警戒感が薄れ、ドル安バイアスは後退したことから、ドル円は一時反発しました。しかし、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言で再度利下げムードへ傾きつつあります。これから調整安をしたところをどこでエントリーするかは、チャートをよく見てテクニカル分析で判断するようにしたいところです。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)