日配品は単価が低い割には、発注頻度が高く、検品作業にも手間がかかる業務負担の多い品目で、さらには天候や季節に臨機応変に対応できる発注能力も必要とするため、小売業にとって厄介な存在と言えます。そんな中、自動発注のニーズは高く、同社の業績の追い風となりそうです。
財務面も健全です。当第1四半期にはオーバーアロットメントと新株予約権を行使したことで、純資産が前期末比1億1800万円増加したので自己資本比率が77.1%から83.7%に大幅上昇しました。また、有利子負債は1500万円ありますが、8億円の現金等がカバーしている実質無借金経営です。
特別な土地や施設も必要がない事業内容であることから、今後資金は製品開発や知的財産管理など人材に向けられることになると思われます。また配当については、東証1部に昇格したら検討するとのこと。株価指標としてはPERが96倍と過熱感があり、PEGレシオも3.4倍と割高感があります。
ただ、今後の企業活動による資金流入が状況を変える可能性があります。
現在株価は1万6千円台と1単元で160万円を超えているため手が出しにくいですが、7月31日の株主を対象に1株につき5株の割合で分割すると発表しています。分割後は1単元価格が引き下がるため、投資家の増加につながり、流動性が高まることが期待できます。今回、株主数の拡大という施策が実行されますが、今後東証1部への昇格に向けた動きが注目されるでしょう。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。