決定的となった10月1日からの消費増税を前に、大きな買い物を検討する人は少なくないだろう。特に、人生で最も高い買い物である「土地」や「住宅」は、増税前の購入を検討しがちだが、ファイナンシャルプランナーの大石泉さんはこう話す。
「そもそも、土地は非課税なので、増税の影響を受けません。また、あまり知られていませんが、個人が売主の場合、中古の住宅やマンション価格には消費税がかかりません。増税前に急いで中古住宅の購入を検討しているなら、慌てて買う必要はないのです」
増税の影響を受けるのは、主に新築の建売住宅やマンションの建物部分の価格だ。では新築の場合、増税前と増税後、いつ購入するとよいか。
「新築だからと必ずしも増税前の購入がよいとは言い切れません。エリアや物件によっては増税前の駆け込み需要で品薄になり選択肢が狭まったり、値引き交渉に応じてもらいにくくなるケースもあります。
一方、増税後は価格が上がる分、需要が冷え込む可能性があります。東京五輪後は、不動産価格が下がる可能性を指摘する声も多く、せっかく消費税の負担を減らそうと増税前に住宅を購入しても、増税後に購入した方が総額は少なくて済んだ、というケースも出てくるでしょう」(大石さん)
増税前は強気な価格設定だったマンションが、周辺の競合物件まで売れ残り、たたき売られるケースもあるから注意したい。
増税後は、住宅を取得した人に最大50万円の『すまい給付金』が支給されたり、ローン残高に応じた金額が所得税、住民税から控除される『住宅ローン控除』も拡大されるなど、政府の支援制度も用意されている。