2年で元が取れる制度
加えて知っておきたいのが「付加年金」の存在だ。
「国民年金の加入者が保険料に毎月400円をプラスして納めると、将来の受給額(年額)が〈200円×納付月数〉増えるという制度です。あまり知られていませんが、“国の設計ミス”と皮肉られるほど受給者に有利な仕組みで、加入しないと損です。例えば40歳から60歳までの20年間欠かさず付加年金の保険料を納付していれば、年間4万8000円が一生涯支給されます。納めた保険料は20年の総額で9万6000円なので、2年間の受給で元が取れる計算です」(北村氏)
サラリーマンでも定年後の60~64歳に任意加入をする場合は、付加年金の併用が可能だ。
図のように、任意加入、付加年金に繰り下げを組み合わせると90歳時点での年金総額は大きく膨らむ。60歳以降の“入り方”と“もらい方”の工夫だけで約670万円も差がつく。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号