普段は離れて暮らしている家族が一堂に会するお盆の帰省は、親子の今後についてじっくり考え、話し合う絶好の機会だ。「うちの親はまだ大丈夫」「まだ子供に相談するタイミングではない」と準備を怠っていると、いざというときに途方に暮れる事態を招きかねない。
しかし、「健康」や「お金(資産)」資産以上に、聞き出すのに抵抗があるのが「墓」や「葬式」についての意向だ。
そこで効果を発揮するのは、両親を墓参りに誘うこと。例えば「今年、おじいちゃん何回忌だっけ?」と思い出話を切り出すことで、葬儀や墓の希望について話し合うきっかけになる。
同様に、家族でアルバムを眺めるという手もある。葬儀・お墓コンサルタントの吉川美津子氏(社会福祉士)がいう。
「帰省で家族が揃った時にアルバムをめくると思い出話に花が咲き、親といろいろな話をするきっかけになる。葬儀に声をかける親戚や友人を聞き出したり、“お母さんの好きな写真はどれ?”と促せば、遺影となる写真の候補もスムーズに見つけられるでしょう」
葬儀の費用を心配する親が、葬儀社の互助会制度に加入していることがある。
「月々数千円の積み立て金を葬儀費用に充当できるシステムで、2割程度の葬儀で利用されるといわれる非常にポピュラーなものです。しかし、加入していることを子供たちが知らないとまったく無駄になってしまう恐れがある。もし使わないなら解約するという選択肢もあります」(同前)