首都圏を中心に増え続けているのが、一般的に「タワマン」と呼ばれている20階以上のタワー(高層)マンション。不動産経済研究所が今年3月に発表した「超高層マンション動向」によれば、首都圏における超高層マンションのシェアは全国の73.6%。今後も東京都心部や湾岸エリアを中心に超大型規模の開発や再開発を控えており、2020年以降も増加が見込まれている。
そんな“タワマン”隆盛の中、あえて中低層マンションを選ぶ人たちも少なくない。その理由を聞いてみた。
40代の男性・Aさんは、これまで一貫して中低層マンションに住み続けている。約5年前にマンションを購入した際、タワマンも選択肢にあったが、最終的に中古の中低層マンションを選んだ理由について、こう語る。
「中低層マンションの方が圧倒的に多いので、選択肢が多かったことが第一。タワマンはどれも似たような外見で、間取りや内装の作り方もほぼ同じ。代わり映えない物件よりは、デザインや建てられた時期もバラバラで、特色ある物件が多い中低層マンションの方に魅力を感じました」(Aさん)
大手デベロッパーが手がけるタワマンの中には、住環境としての魅力を追求するために、敷地内に幼稚園や病院、美容室やコンビニなどの施設を完備しているケースも多い。それを魅力に感じる人も多い中、これらのサービスが「やり過ぎ」と感じてしまったという。
「24時間のコンシェルジェサービスや、住人用のパーティールームも、過剰な“付加価値”だと感じました。余計な共用施設にお金を払うぐらいなら、もう少しコストを抑えたいです。中低層マンションも管理会社が入り、住み込みの管理人がいる物件がほとんどなので、サービスにも不満を感じたことはありません」